第28章 選んだ未来
「う、うん。聞いてくれたんだね、ありがとう……どうだった?」
そんな大事なことを勇気をだして尋ねてくれたのだと、感謝する。
自分には怖くて出来なかったからだ。
「俺は魔獣で、寿命が魔族よりは少し短いが、数百年ぐらいあるんだ」
「⋯⋯そうなの?」
知らなかった事実に目を見開く。
ルドガーの時はまだまだ続くと知り、心から安堵して、嬉しくなった。
けれど同時に、自分のことを考えると胸がしめつけられる。
「ごめんね……私人間だから、きっと全然短いよね⋯⋯」
あなたの悲し気な眼差しに、ルドガーは首を勢いよく振る。
「違うんだ! そうじゃない。俺は、そこで守護者に聞いた。そうしたら守護者は、このことを俺からお前に言ってくれと言った」
彼はあることを話し始めた。真剣に、あなたの瞳を見つめながら。
「守護者はお前を魔界に連れてきて、俺のもとに送り出そうと決めたとき、お前の体を少し作り変えたらしい。……お前は人間で、魔族じゃない。体も強くはないし、普通の人間だ。⋯⋯でも、お前の寿命は、俺と同じぐらい生きられるようにしたと言っていた」
あなたの瞳は彼を映したまま、ぽろりと涙が落ちる。
「……ほんとうに……?」
「ああ、本当だ。」
「じゃあ私……ルドガーと一緒に、これからも長く生きられる……?」
「そうだ、一緒に長く生きていくんだぞ」
そう言って、がっしりと腕の中に抱き寄せてくれる。
あなたは安心して、目の前がぼやけていた。
景色もかすんで、彼の体温と濃い紫の空しか分からない。