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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第5章 【第四話】黒衣に宿る祈り


リナリーが眉を寄せた。

「遊んでないわ。ティファの戦い方を確認していたの」

「確認?」

神田の暗い瞳が、もう一度、私のレイピアへ落ちる。

「光ってるだけで、斬れるのか。それ」

刺すような言葉だった。

けれど、ただ嘲るためだけの言葉には聞こえなかった。

戦場で役に立つのか。

命を預けられる武器なのか。

そう問われているように感じた。

私は二本のレイピアを静かに下ろす。

「試してみる?」

リナリーが、僅かに息を呑んだ。

壁際で、ラビの笑みが深くなる気配がする。

神田の目が、細められた。

短い沈黙が落ちる。

「……その顔だけは覚えとく」

「顔?」

「初任務から戻っても、同じことが言えるならな」

低い声だけを残し、神田は鍛錬場の奥へ歩いていく。

私は、その背中へ何も返さなかった。

戦場を知らないわけではない。

私は既に、AKUMAと対峙したことがある。

母を奪ったそれを、ニルヴァーナの歌と光で浄化し、消し去ったことも。

その身体が灰へ崩れていく瞬間も、知っている。

それでも。

神田が口にした“初任務”は、師匠の背中を追いながら戦っていた時とは違うのだろう。

黒の教団のエクソシストとして。

自分の名で命を預かり、自分の判断で刃を振るう戦い。

「……ティファ、大丈夫?」

リナリーがそっと近付く。

私は小さく息を吐き、両手から力を抜いた。

二振りのレイピアが、白い光の粒へ変わる。

細かな光は一度だけ空気の中で瞬き、やがて静かに消えていった。

「ええ。大丈夫よ」
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