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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第38章 【第三十三話】信じることの重み



「分かってる!」

ラビの声が震えた。

けれど、足は止めない。


「分かってるから、行くんさ!!」

アレンは歯を食いしばり、リナリーの片腕を取った。
ティファも反対側からリナリーを支える。

リナリーは蒼白な顔で、クロウリーの方を見つめていた。


「クロウリー……!」
「リナリー」

ティファは震える声で呼ぶ。

「行きましょう……」

その声は、泣きそうに揺れていた。

けれど、ティファも前を向いた。


「信じて、進みましょう」

リナリーの瞳が揺れる。

けれど、クロウリーの叫びが背中を押した。


「行けぇッッ!!」

ティファは最後までクロウリーを見ていた。

血に濡れた背中。
ジャスデビを押さえ込む腕。

震えているのに、折れない姿。


「……必ず戻るわ」

声は震えていた。

けれど、ティファは最後まで目を逸らさなかった。


クロウリーは、ほんの僅かに笑った。

ラビはチャオジーを支えながら、一瞬だけティファを見た。

ティファもリナリーを支えたまま、小さく頷く。


大丈夫。

今は、進む。

それだけで伝わったように、ラビは前を向いた。


そのまま一行は、開いた扉へ向かって走った。

背後で、ジャスデビの怒号が響く。


「逃がすかよォォ!!」

だが、クロウリーがその身体をさらに強く抱え込んだ。


「行かせぬ……!」

血に濡れた牙が、笑う。

書庫の崩壊音が、さらに大きくなる。

床が割れ、壁が崩れ、本棚が次々と倒れていく。

その中で。

クロウリーの声だけが、最後まで響いていた。


「行けぇぇぇッ!!」

扉の光が、ティファ達を呑み込む。

視界が白く染まる。


最後に見えたのは。

崩れゆく書庫の中央で、たった一人、仲間を信じて踏み止まるクロウリーの姿だった。
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