第38章 【第三十三話】信じることの重み
「ぐあっ!?」
「いきがって、バカみたい!」
リナリーが叫ぶ。
「命の重みを知ってるアレンくん達の方が、ずっとずっと強いわよ!!」
空気が止まった。
デビットが低く唸る。
「お前らには、もっとキツいのプレゼントしてやらぁ」
「笑ってる」
「けど」
「実は、すっげぇ怒ってる時の――」
黒い影が、足元から膨れ上がる。
「千年公!!」
巨大な幻が現れた。
本物ではない。
けれど、笑っているはずのその影から滲む気配は、ぞっとするほど冷たい。
アレン達は幻の伯爵に苦戦する。
その隙に、デビットがリナリーの球体へ拳を叩き込んだ。
「二度とオレらにナメた口聞くんじゃねー」
「な〜にが、アレンくん達の方が強い、だ」
ジャスデロも笑う。
「ギャハッ、マジウケる!」
リナリーは唇を噛んだ。
それでも目を逸らさない。
「……絶対」
「は?」
「絶対……来るわ」
リナリーの声が震える。
けれど、その瞳は折れていなかった。
「あなた達みたいな子供なんか……殴り飛ばしに来るわ!!」
その瞬間。
書庫の中央、高い台座の上で眩い光が弾けた。