第38章 【第三十三話】信じることの重み
けれど、その前にアレンの右腕が伸びた。
「クラウン・ベルト!!」
白い帯が、倒れかけたチャオジーの身体へ巻き付く。
アレンは歯を食いしばり、そのまま強く引いた。
「こっちです!」
「す、すみませんっ!」
チャオジーが引きずられるように前へ飛ぶ。
その間にも、崩壊はすぐ背後まで迫っていた。
クロウリーはリナリーを抱えたまま走っていた。
だが、その息は明らかに荒い。
「クロウリー……!」
リナリーが苦しげに顔を上げる。
「大丈夫である……!」
そう言いながらも、クロウリーの足取りは重い。
このままでは追いつかれる。
クロウリーは、腕の中のリナリーへ視線を落とした。
「リナリー……吾輩のポケットに、ちょめ助から貰った血の小瓶がある」
「血の……?」
「取ってもらえるか?」
リナリーは一瞬だけ驚いたように目を見開く。
けれどすぐに、震える手でクロウリーの上着へ手を伸ばした。
指先が小さな瓶に触れる。
「これ……?」
「それである!」
リナリーが栓を抜き、クロウリーの口元へ差し出す。
クロウリーはそれを一気に飲み干した。
次の瞬間。
クロウリーの瞳が赤く光る。
背筋が伸び、全身に力が戻る。
「みな、掴まるのである!!」
「え?」