第4章 【第三話】檻と家のはじまり
「……ティファ?」
リナリーの声に、私ははっと我に返る。
「え?……ごめんなさい」
「どうかした?」
私は一瞬だけ迷った。
けれど、自分でも説明できない違和感を口にすることはできなかった。
「……ううん。すごい剣捌きだと思って」
「そうね。神田は本当に強いわ」
リナリーは素直に頷く。
ラビは、そんな私をちらりと見た。
先ほどまでの軽い笑みを浮かべたまま、何も言わない。
けれど、その目は、私の答えをそのまま信じてはいないように見えた。
胸の奥が、僅かに落ち着かなくなる。
私はもう一度だけ鍛錬場の奥へ視線を向け、それからリナリーに促されるまま、その場を後にした。