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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第26章 【第二十五話】終幕なき夜・後編


「でも、今の……」

「何だ」

「あなたなら、私を引き寄せなくても、弾丸ごと斬れたでしょ?」

静かな沈黙。

神田の眉間へ、さらに皺が寄った。

「……知らねぇ」

「知らないの?」

「ああ」

吐き捨てるように答え、神田は視線を逸らす。

「身体が勝手に動いただけだ」

その声音が、妙に苛立っていた。

まるで、自分自身の行動に一番腹を立てているみたいに。

私は少しだけ目を瞬く。

いつもなら、もっと合理的に動く人なのに。

それとも、私が知らないだけで、神田は思っていた以上に仲間を庇う人なのだろうか。

「……ありがとう」

素直に告げると、神田の表情が僅かに固まった。

「礼なんざいらねぇ」

「でも、助けてもらったから」

「任務中だ。余計なこと考えんな」

ぶっきらぼうな声。

けれど、彼は私の前を歩き出したあと、さっきよりさらに歩幅を緩めていた。

トマが少し離れた場所からこちらへ近付いてくる。

「お怪我はありませんか?」

「ええ。神田が庇ってくれたから」

そう答えた瞬間。

神田がぴたりと足を止める。

「……余計な言い方すんな」

「事実でしょ?」

「黙れ」

低い声。

けれど、その横顔が何故か少しだけ険しくなったように見えた。

私は首を傾げながら、その後を追った。
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