第24章 【第二十三話】恋人になった朝、揺れる剣
翌朝。
目を覚ました瞬間、昨夜の記憶が一気に蘇った。
月光に照らされたチャペル。
静かに降り続ける雪。
私を抱き締めたラビの腕。
震えるように落ちてきた、低い声。
――オレも好きさ。
――ずっと、お前が欲しかった。
そして、初めて重なった唇の熱。
「~~っ……」
私は勢いよく毛布へ顔を埋めた。
無理。
思い出しただけで、心臓がうるさい。
胸の奥で『ニルヴァーナ』まで甘く脈打っている。
昨夜までは、ラビを意識していることさえ認めるのが怖かった。
けれど、今はもう誤魔化しようがない。
私は、ラビが好きで。
ラビも、私を好きだと言ってくれた。
つまり今日からは、普通に顔を合わせなければいけない。
恋人として。
そこまで考えた瞬間、また頬が熱くなる。
「……どうすればいいのよ……」
毛布の中で小さく呟く。
けれど、いつまでも隠れているわけにもいかない。
しばらくベッドの上で悶えたあと、私はようやく覚悟を決めて身体を起こした。
鏡の前へ立ち、髪を整える。
顔が赤くないか、何度も確かめる。
けれど、鏡の中の自分は、どう見てもいつも通りではなかった。
頬が緩みそうになるのを必死で抑え、私は部屋を出た。