第22章 【第二十一話】雪明かりの答え
アレンは小さく笑う。
泣きそうなくらい優しい顔で。
「ティファ、ラビの声が聞こえた瞬間、顔変わりました」
私は何も言えなくなる。
否定、出来なかった。
アレンは静かにマグカップを置く。
そして、小さく息を吐いた。
「……僕、ずっと分かってた気がします」
回廊の窓から差し込む雪明かりが、銀白色の睫毛へ静かに落ちる。
「ティファがラビを見る時だけ、時々すごく苦しそうだったから」
掠れた声。
「でも同時に、少しだけ……幸せそうでもあった」
胸が締め付けられる。
私は俯いた。
アレンを傷付けている。
その事実が、痛かった。
すると、不意に頭へそっと手が乗せられる。
私は目を見開いた。
アレンだった。
優しく髪を撫でる指先。
昔と変わらない。
安心する手。
「そんな顔しないでください」
静かな声。
「ティファが誰を好きになるかは、ティファが決めることです」
私は唇を噛む。
アレンは少しだけ困ったように笑った。
「……本当は」
そこで、言葉が途切れる。
マグカップを握る指先へ、僅かに力が籠もった。
「本当は、そんな顔で……僕を見てほしかったです」
胸が、痛いほど締め付けられた。
アレンは俯いたまま、小さく笑う。
けれど、その笑みはひどく頼りなくて。
「すみません。今のは、忘れてください」
「アレン……」
「忘れてほしいです」
掠れた声。
「……じゃないと、僕も諦められなくなるから」
呼吸が詰まった。