第21章 【第二十話】残り香は、まだ熱い
次の瞬間。
「侵入者認定。コムリン出動」
「待っ――」
ラビの制止より早かった。
ガコン!! と地面が開き、大型のコムリンが飛び出してくる。
「侵入者排除ー!!」
「本日ノ夕食ハ吸血鬼ノ香草焼キデース!!」
「ぬおおおおおお!?」
クロウリーが半泣きで逃げ回る。
私は思わず吹き出しそうになった。
「ちょ、ちょっと待って! クロウリーは味方よ!」
だが、コムリンは止まらない。
その時だった。
「はーっはっはっは!!」
聞き慣れた高笑いが響く。
門の上。
白いコートを翻したコムイさんが、無駄に格好良く立っていた。
「安心したまえ皆!! 一度出動したコムリンは、もう誰にも止められない!!」
「やめろ室長!!」
科学班の総ツッコミが飛ぶ。
けれど、コムイさんは爽やかな笑顔のままだ。
「大丈夫! 美味しく調理されるだけだから!」
「大丈夫じゃないのであるぅぅぅ!!」
クロウリーの絶叫が響く。
その瞬間。
「兄さん」
静かな声。
全員の背筋が凍った。
振り返る。
そこには、にこやかに微笑むリナリーが立っていた。
笑顔なのに怖い。
コムイさんだけが青ざめる。
「リ、リナリー?」
「クロウリーを料理するって、どういうこと?」
「いや、これはだね――」
次の瞬間。
ドゴォッッ!!!
凄まじい音と共に、リナリーのかかと落としがコムイさんの脳天へ炸裂した。
「ぎゃあああああああ!!?」