第21章 【第二十話】残り香は、まだ熱い
コムイさん撃沈。
同時に、コムリン達もぴたりと停止する。
静寂。
リナリーはにっこり微笑んだ。
「おかえりなさい、皆」
「たっ、……ただいま……」
ラビがぼそっと呟く。
クロウリーは半泣きのまま、私へ縋り付いた。
「た、助かったのであるぅぅ……!」
「わ、分かったから引っ張らないで……!」
右肩へ痛みが走る。
「っ……」
思わず顔をしかめた瞬間。
「クロちゃん」
ラビの声が低くなった。
「ティファ、怪我してんの」
その一言で、クロウリーがはっと手を離す。
「す、すまぬである!?」
「……大丈夫よ」
小さく笑って見せる。
けれど。
ラビの翠の瞳は、じっと私の右肩を見ていた。
その視線が妙に熱くて、落ち着かない。
すると。
「ティファ、先に医務室へ行ってください」
今度はアレンだった。
真っ直ぐな視線が、包帯越しの肩へ向く。
「傷、かなり深いですよね」
「……平気よ、これくらい」
「平気な人は、そんな庇い方しません」
即答だった。
ラビが吹き出す。
「相変わらず過保護だなぁ、アレン」
「ラビだって、戦闘中止められたはずでしょう」
アレンがじろりと睨む。
「ティファがあんな無茶する前に」
「止めても聞かねぇさ、コイツ」
ラビが肩を竦めた。
「痛ぇの我慢してでも突っ込むタイプだし?」
どくん。
不意にラビの口からそんなふうに言われ、心臓がまた妙に跳ねた。