第19章 【第十八話】偽物じゃなかった愛~クロウリー編③
「っ……!」
ふと、視線を感じて顔を上げる。
ラビだった。
「…………」
完全に固まっている。
翠の瞳が、思い切り見開かれていた。
「ラビ!?」
羞恥で、一気に顔が熱くなる。
すると、ラビは慌てて顔を逸らした。
「いやっ、違っ……!」
耳まで真っ赤だった。
「その……蔓の位置が悪ぃっていうか……!」
「見ないで!!」
思わず叫ぶ。
けれど、そのせいで身体が揺れ、余計に蔓が食い込んだ。
「っ、ぁ……!」
「だから暴れんなって!!」
ラビが本気で焦る。
その横では、アレンまで顔を真っ赤にして硬直していた。
「ちょ、ちょっとティファ、その状態で動かないでください……!!」
「アレンまで何なのよ!!」
「だって見えるんだから仕方ないでしょう!?」
「見るなって言ってるの!!」
羞恥で死にそうだった。
しかも、蔓は容赦なく身体を締め付け続けてくる。
その時。
ぐちゃり、と。
目の前で、巨大な食人花がゆっくり口を開いた。
鋭い牙。
生臭い吐息。
三人の表情が、一気に引き締まる。
「……やば」
ラビが低く呟いた。
今度こそ、本気で不味かった。
私はレイピアを握ろうとするが、蔓が腕を強く締め上げていて力が入らない。
アレンも左腕を動かそうとしているが、拘束がきつ過ぎる。
「っ……このままじゃ……」