第19章 【第十八話】偽物じゃなかった愛~クロウリー編③
私は肩の傷を押さえながら、迫る蔓をレイピアで薙ぎ払う。
その瞬間だった。
足元の床が、ぼこりと盛り上がる。
「え――」
次の瞬間、亀裂の中から蔓が一気に飛び出した。
冷たい感触が足首へ絡み付く。
「ティファ!!」
ラビが叫ぶ。
だが、遅い。
蔓は脚を這い上がり、そのまま腰や腕へ容赦なく巻き付いていく。
「っ、ぁ……!」
傷付いた肩が引っ張られ、痛みに思わず声が漏れた。
身体が強引に吊り上げられる。
蔓が腰や腕へ食い込み、乱れた団服の隙間から肌が覗いた。
「くそっ!!」
ラビがこちらへ駆け寄ろうとした瞬間、今度は彼自身の足元から蔓が飛び出す。
「うおっ!?」
鉄槌ごと腕を絡め取られ、そのまま床へ引き倒された。
「ラビ!」
アレンが左腕を振り上げる。
だが、その背後からも大量の蔓が襲い掛かった。
「なっ――!」
引き裂こうとするが、間に合わない。
あっという間にアレンの胴や腕へ蔓が巻き付き、その動きを封じていく。
「くっ……!」
三人とも、完全に拘束されていた。
私は必死に身体を捩る。
けれど、暴れるほど蔓は強く締め上げてくる。
肩の傷が痛む。
その上、蔓が容赦なく身体へ絡み付き、乱れた団服がさらに身動きを取りづらくしていた。