第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①
その様子を見ながら、エリアーデは小さくため息を吐いた。
「……もう手遅れですわ、アレイスター様」
あっさりした声だった。
「死体はまた、あそこへ埋葬しておきましょう」
クロウリーはその場へ崩れ落ちた。
「うぅぅ……」
髪を掻きむしる。
「わ、私は……やはり化け物なのである……!!」
赤い瞳が涙で潤む。
「討伐隊まで来ていた……!! 村人達にも完全に嫌われてしまったのである……!!」
先程のエクソシスト達を思い出したのか、ぶるぶる震える。
「しかもあの白髪の童、めちゃくちゃ苦かった!!」
エリアーデはそんな彼へ静かに歩み寄った。
「仕方ございませんわ、アレイスター様」
そして、そっと抱き締める。
「だって貴方は、吸血鬼なんだもの」
その瞬間、クロウリーの身体がびくっと震えた。
エリアーデの細い肩。
白い首筋。
甘い香り。
ぞくり、と本能が疼く。
噛み付きたい。
血を吸いたい。
クロウリーは、はっと目を見開いた。
「っ!!」
勢いよくエリアーデから離れる。
「わ、私に近付いてはダメだ!!」
真っ赤な顔で叫ぶ。
「エリアーデ……私は貴方を……あ……あ……愛……あい……」
言葉が詰まる。
耳まで真っ赤だった。