第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①
村人達は震えながら門を指差した。
「さ、さぁ前へ……!」
完全に他人任せである。
ラビがため息を吐きながら門を押し開けた。
城の中庭へ入った瞬間、不気味な石像達がずらりと並ぶ。
どれも歪な笑みを浮かべていて、妙に視線を感じる。
「……悪趣味」
私は眉を寄せた。
その時。
ラビがふとアレンを見る。
「あれ? アレン」
「?」
「なんでもう手袋外してんの?」
アレンの左手――イノセンスの刻印が露わになっている。
「……まさか、怖いの?」
ラビがにやにやする。
アレンがぴくっと眉を動かした。
「ち、違います」
「へぇ?」
「そういうラビこそ、さっきから右手ずっと武器握ってますけど?」
沈黙。
ラビがちらりと自分の手を見る。
本当だ。
無意識に鉄槌を握り締めている。
私は肩を震わせる。
ラビが咳払いした。
「……オレは怖くなんかないさー」
微妙に棒読みだった。
悪趣味な石像が並ぶ中庭へ、冷たい風が吹き抜ける。
カラスの鳴き声が、不気味に夜空へ響いていた。