第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①
沈黙。
ラビが盛大に吹き出した。
「ははっ!! 最高!!」
アレンがショックを受けた顔になる。
「ティファ!?」
「だって師匠こういうの好きそうだもの」
「絶対面白がりますよあの人!!」
『えぇぇ!? ティファまで!?』
ゴーレム越しにリナリーが悲鳴を上げる。
その空気に、張り詰めていた緊張が少しだけ和らいだ。
『と、とにかく!! 気を付けてね!!』
通信が切れる。
静寂。
ラビがぼそっと呟く。
「……ティファが吸血鬼とか、普通にヤバそう」
「何が?」
「色んな意味で危険さ」
「ラビ」
「冗談さ」
けれど、その瞳は妙に真剣だった。
私は視線を逸らす。
やがて、森の奥に巨大な城門が姿を現した。
クロウリー城。
黒い鉄門には、大男の顔を模した悪趣味な装飾が絡み付いている。
ギィィ……
風もないのに、門が僅かに軋んだ。
その瞬間。
カァァァ――ッ!!
頭上で大量のカラスが鳴き叫ぶ。
「うわっ!?」
アレンの肩が跳ねる。
ラビもびくっと反応した。
私は思わず吹き出しそうになる。
「二人とも怖いの?」
「怖くありません!」
アレン即答。
ラビも咳払いする。
「別に? 全然?」
でも。
否定するわりに、二人とも微妙に私の近くから離れない。