第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①
その中で、村長が深々と頭を下げた。
「我々は今夜、決死の覚悟でクロウリー討伐へ向かう予定でした……」
震える声。
「ですが、主は我々を見捨てにはならなかった!」
村長が私達を見る。
「黒の修道士様!! どうかクロウリーを退治してくださいまし!!」
必死だった。
村人達の瞳には、本気で命を懸けて縋る色が浮かんでいる。
ラビが困ったように後頭部を掻く。
「いやぁ……オレら、AKUMA退治専門なんだけど」
その瞬間、村長の顔がぱあっと明るくなった。
「なんと!! 悪魔まで退治できるのですか!!」
「いや、その悪魔じゃねーんだけど……」
ラビが遠い目をする。
その時。
アレンが、真剣な顔で問いかけた。
「……その旅人って、どんな人でしたか?」
村長は「ああ」と頷くと、懐から一枚の紙を取り出した。
「似顔絵があります」
その紙が広げられる。
顎髭。
煙草。
胡散臭い笑み。
そして、十字架。
沈黙。
「…………」
「…………」
「…………」
ラビが顔を覆った。
「うわ、腹立つくらいクロス元帥」
「間違いありませんね……」
アレンが疲れ切った声で呟く。
私は深くため息を吐いた。
クロスが関わっている。
なら、この件を無視することはできない。