第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①
けれど、軽口を叩きながらも、三人とも理解している。
クロスがわざわざ痕跡を残した。
なら、この件は、ただの怪奇騒ぎじゃ終わらない。
村長はこくこくと頷いた。
「我々も、もう殺されたと思っておりました。ですが――三日後」
空気が張り詰める。
「旅人は戻ってきたのです」
「……!」
アレンの表情が険しくなる。
村長は、震える声でその時のことを語り始めた。
「旅人はこう言いました。“もし古城の主に何か異変があったら、私と同じ十字架の服を着た者達に知らせろ。そいつらが事を解決してくれる”と……」
クロスが、わざわざ私達を呼ぶような真似をした。
つまり、この件はただの怪奇騒ぎじゃない。
「……それから暫くして」
村長の声が震える。
「クロウリーは村人を襲うようになったのです」
村人達の顔から血の気が引いていく。
「今日までで、既に九人が餌食に……」
沈黙。
次の瞬間。
「許せねぇ……!」
「このままじゃ村が滅ぶ!」
「クロウリーを討たねば!!」
村人達が次々声を上げる。
恐怖と怒りが入り混じった叫び。