• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①


私は椅子へ縛られたまま、小さく息を吐いた。

「……とりあえず、縄解いてもらえない?」

「ほ、本当に逃げませぬか!?」

村長が不安そうに身を乗り出す。

「逃げません」

アレンが真顔で頷いた。

「僕達、こういう案件放置すると後味悪いので」

「お前その言い方どうなん」

ラビが呆れた声を出す。

けれど、その声音にはもう先程までの軽さは無かった。

完全に任務モードへ切り替わっている。

村長はなおもしばらく迷うように視線を彷徨わせていたが、やがて観念したように小さく頷いた。

「……縄を」

その一言で、近くにいた村人が恐る恐るこちらへ近づいてくる。

背後へ回った気配。

次いで、手首を締め付けていた縄が、ぎし、と音を立てて緩められた。

血の巡りが戻る感覚に、指先がじんと痺れる。

私は小さく眉を寄せながら、自由になった手首をそっと擦った。

ラビの視線が、そこへ一瞬落ちる。

「……痕、残ってねぇ?」

「平気よ」

短く答えると、ラビはそれ以上何も言わなかった。

ただ、その片目だけが僅かに細められる。

アレンもほどかれた縄を床へ落としながら村長へ話かけた。

「それで、話してもらえますか」
/ 537ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp