第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①
その背中を見送っていると、隣からラビの声。
「ほんとティファには甘ぇよな、アイツ」
「え?」
私はきょとんとする。
ラビはそんな私を見て、小さく笑った。
「無自覚過ぎ」
ぽん、と軽く私の頭へ触れる。
一瞬。
胸がどくりと鳴った。
不意打ちみたいなその触れ方に、呼吸が小さく揺れる。
ラビは何でもない顔で駅の外へ視線を向ける。
……最近、こういうのがずるい。
以前より距離は近いのに。
踏み込み過ぎない。
だから余計、落ち着かない。
――けれど。
十分経っても。
二十分経っても。
アレンは戻ってこなかった。
ラビの表情から笑みが消える。
「……遅ぇな」
私も胸の奥がざわつき始めていた。
「見に行きましょう」
売店へ向かうと、そこにアレンの姿はなかった。
売店の老人へ聞き込みをすると、妙に怯えた顔で「あっちだ」と村の奥を指差された。
霧の中を進む。
やがて、村の中央にある古びた集会所へ辿り着いた。
その瞬間――
「黒の修道士様ァァァ!!」
集会所の扉が勢いよく開く。
「!?」
次の瞬間、中から大量の村人達が飛び出してきた。