第17章 【第十六話】吸血鬼退治と三人の距離~クロウリー編①
「オレも協力するさ」
ラビが即答した。
「クロス元帥相手なら、ティファいた方が話早そうだしな」
「……私が?」
思わず聞き返す。
ラビは当然みたいに片目を細めた。
「ティファ、クロス元帥には容赦なさそうだろ。アレンだけだと、また何だかんだ言いくるめられて終わりそうだし」
「否定できないのが悔しいです……」
アレンが遠い目をする。
私は思わず吹き出した。
「クロス元帥、一度本気で説教されるべきさ」
「ラビが言ったら、説教じゃなくて喧嘩になるわよ」
「えー、オレそんな短気に見える?」
「見える」
即答すると、ラビが不満そうに口を尖らせた。
そのやり取りに、アレンの表情も少しだけ柔らかくなる。
張り詰めていた空気が、ほんの僅かに緩んだ。
最近のラビは、以前みたいにすべてを冗談で隠さなくなっていた。
“待つ”とは言った。
けれど、だからといって、今までみたいに何もなかった顔へ戻るつもりはないらしい。
ふとした瞬間に近くにいる。
目が合えば、以前より少し長く視線が残る。
科学班の人達に妙に生暖かい目で見られるようになったのも、そのせいなのだと思う。
ラビ本人は「うるせぇさ」と笑って流すだけで、否定はしなかった。