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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第15章 【第十四話】言いかけた熱 


けれど、隠そうとした拍子に包帯の端がずれる。

覗いた皮膚に、息を呑んだ。

赤黒く焼けた痕。

治りかけというには、あまりに痛々しい。

まだ熱を持っているようにさえ見えた。

「……これが“大したことない”わけないでしょ!」

思ったより大きい声が出た。

ラビは少し黙り込み、それから小さく息を吐く。

「……まぁ、ちょっと無茶したさ」

軽く言う。

けれど、その火傷ができた理由を、私は知っている。

あの遊園地で。

空間ごと焼きながら、自分を引き戻そうとしていたラビ。

あの時の炎。

伸ばされた手。

私は無意識に唇を噛んだ。

「……私のせい、よね」

ぽつりと零れた声。

その瞬間。

「違ぇ」

低い声が、即座に遮った。

ラビは壁から身体を起こし、真っ直ぐこちらを見る。

「オレが勝手にやった」

掠れた声。

「お前を助けたかった。それだけさ」

迷いのない声音だった。

胸の奥が、強く揺れる。

私は視線を落とした。

落ち着かない。

どうしてか、呼吸が少し浅くなる。

ラビはそんな私を見て、小さく困ったように笑った。

「……だから、そんな顔すんな」

その声が妙に優しくて、胸のざわつきはなかなか消えてくれなかった。

回廊に、静かな沈黙が落ちる。

遠くで機械音が鳴っていた。

私はまだ、ラビの右手から目を逸らせない。

赤黒い火傷。

自分を掴もうとして伸ばされた手。

空間を焼き払った炎。

思い出すたびに、胸の奥が苦しくなる。

「……医務室、行きましょう」

気付けば、そう口にしていた。
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