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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第15章 【第十四話】言いかけた熱 


報告を終え、自室の重い扉を閉めた頃には、時計の針は深夜を回っていた。

長かった任務の疲労が、ようやく身体へ重くのしかかってくる。

小さく息を吐き、団服の襟元へ指をかけた。

汗と雨。

それから、微かな火薬の匂い。

「……お風呂、入りたい」

ぽつりと零す。

けれど、団服を脱ごうと右腕を動かした瞬間、包帯の奥に鈍い痛みが走った。

「っ……」

傷口が熱を持っている。

髪を洗うどころか、一人で着替えるのも少し厳しそうだった。

「……困ったわね」

立ち尽くしていた、その時だった。

こんこん、と控えめなノック音が響く。

「ティファ? いる?」

リナリーの声だった。

扉を開けると、彼女は大きなタオルと着替えを抱えて立っていた。

「やっぱり、まだ起きてた」

「リナリー?」

リナリーは私の三角巾を見るなり、小さく眉を下げた。

「その怪我じゃ、一人は無理でしょ。髪、洗えないじゃない」

あまりにも当然のように見抜かれて、目を瞬く。

リナリーは少しだけ悪戯っぽく笑った。

「だから、一緒に行こうと思って」

「でも――」

「遠慮禁止。ほら、行くよ」

ぴしゃりと遮られ、思わず苦笑した。

その強引な優しさが、少しだけ嬉しかった。

結局、そのまま二人で大浴場へ向かうことになった。
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