第11章 【第十話】巻き戻らない時間
窓の向こうでは、アレンとリナリーがまだ互いの傍に立っている。
触れた手を、離さずに。
その姿が、なぜか少しだけ眩しく見えた。
やがて汽笛が鳴り、二人が列車へ戻ってくる。
アレンとリナリーの間に漂っていた張り詰めた空気は、まだ完全には消えていない。
けれど、先ほどまでのように、互いを拒む冷たさではなかった。
それに安堵しながらも。
私の隣にある沈黙だけは、最後まで解けることなく残っていた。
汽車は重たい蒸気を吐きながら、黒の教団本部へ向かって走り続けていった。