• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第11章 【第十話】巻き戻らない時間


「ティファ……今、笑ったな……」

「ご、ごめんなさい……っ」

謝っているのに、笑いは止まらない。

隣では、アレンも痛そうに頭を押さえながら、困ったように口元を緩めていた。

少し離れた場所で、リナリーも、兄の無事を確かめるようにコムイさんを見てから、ほっとしたように小さく笑った。

先ほどまで病室を満たしていた張り詰めた空気が、ほんの少しだけ解けていく。

けれど。

笑い声が落ち着きかけた、その一瞬。

ラビだけは、床へ座り込んだまま、黙って私を見ていた。

翠の瞳の奥には、まだ拭い切れない焦りが残っている。

私が無事でいることを確かめてもなお、消えてくれない何か。

その色を見た瞬間。

胸の奥へ、また小さな熱が残った。
/ 537ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp