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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第11章 【第十話】巻き戻らない時間


巨大な鉄槌と崩れた瓦礫の隙間から。

潰れたブックマンが、ぎろりとこちらを睨み上げていた。

「……」

「……」

「……あ」

どうやら、暴走した鉄槌はAKUMAだけではなく。

戦っていたブックマンまで、見事にまとめて吹き飛ばしてしまったらしい。

しかも、かなり綺麗に下敷きにして。

ラビの顔が引き攣る。

「じ、じじい……生きてたんだな」

次の瞬間。

「ラァァァァビィィィ!!」

「いっでぇ!?」

瓦礫を弾き飛ばして起き上がったブックマンの拳骨が、ラビの脳天へ炸裂した。

ごんっ、と良い音が響く。

続けて。

「アレンもじゃ、阿呆!!」

「うわぁっ!?」

二発目が、アレンの頭へ落ちた。

二人揃って、その場へ沈み込む。

私は思わず目を丸くした。

ブックマンは潰れた髪を乱暴に直しながら、床へ蹲る二人を睨み付ける。

「突っ込むなら周囲を見んか!年寄りを轢き潰す気か!」

「だ、だって止まんなかったんさ……!」

「ラビが無茶するからです!」

「オレのせい!?」

「八割くらいはそうでしょう!」

「同罪じゃ!!」

再び、拳骨が落ちた。

ごっ、ごんっ、と鈍い音が続き、ラビとアレンが同時に呻く。

その光景に。

私は、とうとう堪えきれなくなった。

「ふ、っ……あはは……!」

笑い声が、思わず零れる。

あまりにも場違いで。

けれど、あまりにも可笑しくて。

肩を震わせる私を、ラビが額を押さえたまま見上げた。
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