• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第10章 【第九話】空白の再会


「初めまして、アレン」

ラビは軽い調子で片手を上げた。

「ラビっす。ま、よろしく」

「……よろしく、お願いします」

アレンも礼儀正しく返す。

けれど、その手は、まだ私の手を離していなかった。

ラビの視線が、再びそこへ落ちる。

「随分、ティファと仲良さそうだな」

軽口のような声。

けれど、その一言に、アレンの指が僅かに強張った。

「……そう、見えますか」

アレンはそこで一度、言葉を止めた。

まだ目覚めたばかりの身体で、息を整えるように浅く呼吸する。

「僕にとっては……ずっと、会いたかった人ですから」

病室の空気が、静かに張り詰めた。

ラビは笑っていた。

けれど、露わになった翠の瞳だけは、笑っていなかった。

「……そっか」

短く返された声は、妙に静かだった。

私は、二人の間に流れる空気の変化へ戸惑いながら、立ち上がろうとした。

「アレン、何か飲めるものを――」

けれど。

椅子から腰を浮かせた瞬間、視界の端が白く滲んだ。

足元が揺れる。

喉の奥へ残っていた鈍い熱が、急に重さを増した。

「……っ」

小さく息を呑んだ、その時。

「ティファ」

ラビの声が、低く落ちた。

次の瞬間には、彼がすぐ隣まで来ていた。

伸びてきた手が、私の肩を支える。

傾きかけた身体が、ごく自然に彼の方へ引き寄せられた。

「……ラビ」

「ほら、やっぱ無茶してんじゃん」
/ 537ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp