第10章 【第九話】空白の再会
――あれから、いくつかの任務を越えた頃。
教団に、新しいエクソシストが本部へ配属された、と聞いた。
その名を耳にした瞬間。
思考よりも先に、胸の奥が小さく軋んだ。
……やっと、来たんだ。
懐かしい呼び名が、無意識に喉元まで込み上げて――私はそれを飲み込んだ。
けれど、すぐには会えなかった。
同じ本部に所属しながら、私たちの任務は噛み合わなかった。
私が帰還した頃には、彼はもう次の任務へ向かっていて。
彼が戻る頃には、今度は私が別の地へ発っている。
誰かの口から聞く彼の話は、どれも断片ばかりだった。
強くなったとか。
無茶をするとか。
相変わらずだとか。
そんな話、聞かなくても分かっていた。
それでも。
一度も顔を見られないまま時間だけが過ぎていくことが、思っていた以上に苦しかった。
同じ場所へ戻ってきているはずなのに。
まるで時間ごとすれ違っているみたいに、距離だけが埋まらない。
そして、ようやく。
その空白に終わりが来た。
けれど、それは思い描いていたような再会ではなかった。