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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第8章 【第七話】肩を並べる約束


「……ラビ!」

「平気さ!」

答える声は強かった。

けれど、傷口を庇うように肩が僅かに揺れたのを、私は見逃さなかった。

吹雪の向こうでは、まだ複数の駆動音が響いている。

それなのに。

「下がってろ。残りはオレが片付ける」

ラビは傷ついた肩を庇いながらも、再び槌を振り抜いた。

迫っていたAKUMAの身体が雪煙を上げて吹き飛び、吹雪の向こうへ転がっていく。

次の攻撃まで、ほんの僅かな猶予が生まれた。

その背中へ、胸の奥で何かが熱く膨れ上がる。

さっきからずっと、そうだ。

私が踏み込もうとするたび、ラビは前へ出る。

私の刃が届くより先に、危険を自分へ引き受ける。

彼が守ろうとしてくれていることは分かる。

けれど。

それは、共に戦うこととは違う。

「……いい加減にして」

私の声に、彼の背中が僅かに止まる。

「これは任務よ。私を信用していないの!?」

「そうじゃねぇさ」

ラビの声は、いつもの軽い調子が嘘みたいに重く、冷えていた。

「でも、今回は駄目だ。下がれ」

その一言が、吹雪よりも鋭く胸へ刺さる。

「……何が違うの?」

静かに問う。

「私は、そんなに頼りない?」

ラビは、ようやく少しだけ顔を向けた。

その翠の瞳には、記録者としての冷徹な観察眼など微塵もない。

そこにあるのは。

壊れ物を前にしたみたいな、ひどく不器用で、剥き出しの熱だった。
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