第8章 【第七話】肩を並べる約束
村へ到着した頃には、辺り一面が白い吹雪に閉ざされていた。
凍えた風が頬を打ち、団服の裾を激しく翻す。
道案内をしていたミヒャエルが、雪を払うように腕で顔を庇いながら、声を張り上げた。
「村の住民は、教会へ避難しています! ですが、南側の家屋に、まだ取り残されている者がいる可能性があります!」
「AKUMAの数は?」
ラビが尋ねる。
「確認できているだけで六体です!レベル1とレベル2かと思われますが、この吹雪で正確な位置も、総数も把握できていません!」
その報告を嘲笑うように。
雪の向こうから、不快な金属音がひとつ、ふたつと重なって響いた。
歪んだ笑い声。
空気を引き裂くような駆動音。
吹雪の奥で、いくつもの黒い影が揺らめく。
喉の奥で、ニルヴァーナが熱を持った。
「……囲まれているわ」
「みたいだな」
ラビの声から、先ほどまでの軽さが消える。
私は両手を開き、短い旋律を紡いだ。
「――イノセンス、発動」
白銀の光が胸元から溢れ、腕を伝って両手へ集まる。
二振りのレイピアが、吹雪の中で鋭く形を結んだ。
同時に、ラビが大槌小槌を構える。