第8章 【第七話】肩を並べる約束
任務へ向かう汽車の窓の外では、景色が少しずつ白へ変わっていった。
遠くに見えていた木々の枝へ雪が積もり、やがて地面も空も、境目が分からなくなるほど淡く霞んでいく。
コンパートメントの中には、車輪が刻む一定の音だけが響いていた。
向かいの席には、現地のファインダーであるミヒャエルから届けられた資料が置かれている。
私は窓際へ座り、流れていく雪景色を見つめていた。
「なぁ、ティファ」
向かいから声が落ちる。
「何?」
「喉、本当に平気なんさ?」
問いかけられ、私は窓の外から視線を戻した。
ラビは頬杖をついたまま、こちらを見ている。
口調は軽い。
けれど、翠の瞳は笑っていなかった。
「大丈夫よ。医務室でも確認してもらったし、私自身も問題ないと思っているわ」
「思ってる、ねぇ」
「何か言いたそうね」
「別に。ただ、ティファの“大丈夫”って、あんまり信用できねぇなと思っただけ」