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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第7章 【第六話】この世界に繋ぎ止めて


「……今日は、やけに物騒な振り方してんな」

不意に、聞き慣れた声が鍛錬場へ落ちた。

切っ先が、ぴたりと止まる。

振り返ると、入口の柱へ肩を預けたラビが立っていた。

「……ラビ」

「昨日の今日で、今度は鍛錬場かよ」

ラビは頬の傷へ貼られた布を指先で軽く触れながら、呆れたように息を吐いた。

「一応聞くけど、喉を使ってねぇから問題ない、とか思ってる?」

「……そのつもりだったわ」

「やっぱりな」

ラビは額へ手を当てた。

「予想どおりすぎて、逆に困るさ」

「身体を動かすくらいは大丈夫よ。ニルヴァーナも解放していないもの」

「身体が疲れてねぇならな」

軽い口調だった。

けれど、その目は私の手元と足元を静かに見ている。

呼吸の速さ。

握った指の強張り。

足運びの僅かな乱れ。

また観察されている。

けれど、昨日までのように、その視線を冷たいとは思えなかった。

「……何もしていない方が、考えてしまうの」

言葉が、思わず零れた。

ラビの表情が僅かに変わる。

私は視線を逸らし、レイピアの柄を握り直した。

「アンナのことを。あの村のことを。送った魂たちのことを」

剣先が、僅かに下がる。

「動いている間だけは、少し忘れられる気がしたの」

ラビは、すぐには答えなかった。

やがて、柱から身体を離し、ゆっくりこちらへ近付いてくる。

「……忘れたいからって、身体壊したら余計しんどくなるだけだろ」
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