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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第7章 【第六話】この世界に繋ぎ止めて


「それより、今日はもう休めよ」

「……え?」

「顔色、まだ悪い。声も掠れてる」

翠の瞳が、私の喉元へ向く。

いつもの、観察するような目。

けれど、そこに混じる温度は、任務へ向かう前とは少し違っていた。

「よく見ているのね」

私が小さく呟くと、ラビは一瞬だけ言葉に詰まった。

「……そりゃ、見るだろ」

「記録のために?」

問うと、彼の視線が僅かに揺れた。

ほんの一瞬。

けれど、確かに。

「……さぁな」

やがてラビは、誤魔化すように笑った。

「とりあえず、途中で倒れられたら後味悪ぃからな」

軽口へ逃げるような言葉。

それでも、その声はいつもより柔らかかった。

私はそれ以上追及せず、小さく頷いた。

「……分かったわ。今日は休む」

「よし」

ラビは満足そうに笑う。

けれど、私が歩き出すと、彼も当然のように隣へ並んだ。

「部屋まで来るの?」

「護衛さ。途中で倒れられたら困るだろ」

小さく笑いが零れた。

ほんの少しだけ。

それでも、アンナの瞳を見てから初めて、胸の奥へ息が通ったような気がした。

隣を歩くラビは、私が笑ったことへ何も言わなかった。

ただ、一瞬だけこちらを見て、すぐに前へ視線を戻した。
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