• テキストサイズ

【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第7章 【第六話】この世界に繋ぎ止めて


ラビの視線が、私の喉元へ落ちる。

「どっちも、あんたがやらなきゃ残らなかった結果さ」

胸の奥が、静かに揺れる。

「……でも」

「全部を背負おうとすんなよ」

今度の声は、少しだけ強かった。

「消えた村の人間も、縛られてた死者も、アンナの記憶も。全部、 ティファ一人が救えなかったせいみたいに抱えるのは違う」

私は何も答えられなかった。

ラビは、小さく息を吐く。

「……あの時さ」

その声が、僅かに低くなる。

「霧の中へ入っていく ティファを見て、正直、馬鹿だと思った」

「……そうでしょうね」

「止められてんのに突っ込むし。何がいるかも分かんねぇ場所で、いきなり歌い出すし」

少しだけ、いつもの軽さが戻る。

けれど、ラビは笑わなかった。

「でも、あの子を置いて戻ってたら……たぶん、オレも後悔した」

思わず、彼を見る。

ラビの翠の瞳は、窓の外の雨へ向けられていた。

「だから」

彼は短く息を吐いた。

「ティファだけが勝手に背負うな。あそこへ進んだのも、あの子を連れて帰ったのも、オレたちの選択だ」

その言葉が、胸の奥へゆっくり沈んでいく。

私は暫く黙ったまま、雨に濡れる窓を見つめた。

「……ありがとう、ラビ」

やっとそう言うと、ラビは僅かに目を逸らした。

「別に。オレは見たまま言ってるだけさ」

村で聞いたのと同じ言葉。

けれど、今度はその声音へ、少しだけ照れたような響きが混じっていた。
/ 537ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp