第7章 【第六話】この世界に繋ぎ止めて
「……私は」
言葉が続かなかった。
コムイさんは、報告書を静かに閉じた。
「今、答えを出さなくていい」
穏やかな声だった。
「君は任務から戻ったばかりだ。まずは休むこと。アンナのことも、今後の調査のことも、君一人へ背負わせるつもりはないよ」
一人へ背負わせない。
その言葉が、優しいほど苦しかった。
既に、自分の胸の中には、送り出した魂たちの光と、アンナの空白の瞳が残っている。
それを誰かへ渡すことなど、できる気がしなかった。
「……ありがとうございます」
どうにかそう答え、一礼して部屋を出た。