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【Dグレ】Twin Ray -灰の世界に響く歌-

第6章 【第五話】存在を繋ぐ歌


母親を送ることはできても、その娘へ記憶を返すことはできなかった。

それでも。

何者かが次を望むのなら、止めなければならない。

「……私も、知りたいです」

私はブックマンを見る。

「この歌を歪めた人が、何をしようとしているのか」

ブックマンは、暫く私を見つめた。

「知れば、戻れぬこともあるぞ」

「それでも」

母の歌を。

私の力を。

魂を救うためのものを、こんな形で歪める者がいるのなら。

目を逸らすことはできなかった。

「私は、知らないままにはできません」

ブックマンの片目が、僅かに細められる。

やがて彼は、小さく息を吐いた。

「……その言葉も、記録しておこう」

それだけ言うと、彼は歩き出した。

私も後へ続こうとする。

けれど、二歩目を踏み出したところで、身体が大きく揺れた。

「……っ」

倒れかけた腕を、誰かが掴む。

ラビだった。

片腕にアンナを抱えたまま、もう一方の手で私の腕を支えている。

「ほら見ろ。やっぱ限界じゃねぇか」

「……少し、足がふらついただけよ」

「それを限界って言うんさ」

言いながら、ラビの手に少し力がこもる。

傷を負っているのは彼の方なのに。

支えられている自分が、情けなくて、苦しかった。

「ごめんなさい。私のせいで、あなたまで怪我を……」
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