第3章 DAHLIA
「は?」
つい素っ頓狂な声が出た
(あいつ、散々俺に手ェ出すなとか言っといてどういうつもりだ)
「八戒が…誰とでもそういうコトする人じゃないってのはわかる…ねぇ…悟浄はどう思う?」
ちらっと悟浄に目線をやると、私と同じワインレッドの瞳が射抜く
「されて…どうだった?華楠は」
「ビックリして…」
「イヤだった?」
「……イヤ…じゃなかった…ケド…」
「…けど?」
「なんか…思ってたキスと違って…舌が入ってきて…息もしづらくて…変な感じ…だった…」
(ディープキスかよォォオオオォ!!!
おいおいおい八戒!初キスからそれはえげつねェって)
「ねぇ悟浄、普通、キスって舌……」
「…んっ…んぅ…」
吸っていたタバコを灰皿に揉み消し、片手で華楠の頭を抑え唇を重ねる
そのまま悟浄は体重をかけ、華楠をベッドに押し倒した
ベッドに押さえつけられた華楠は逃げ場がなく、悟浄にひたすら舌を絡めとられる
「はっ…はぁっ…」
チュ…クチュ…ジュル…
(苦…)
先程まで悟浄の吸っていたハイライトが口に広がる
「なァ…もちょっと…口開けて…舌出して…」
低く囁く声にドキッとする
恥ずかしさに震えながら先程より大きく口を開け舌を出すと、悟浄に食べられそうな勢いでしゃぶりつかれた
ちうっと舌を吸われたり優しく喰まれたり多種多様な舌技に慣れを感じさせる
(気持ち良い…)
とろん…と体の力が抜けたところで、悟浄は唇を離しにやりと笑った
長い髪が顔にかかってくすぐったい
「ど?」
「八戒とどっちが気持ち良かった?」
「……………………タバコくさいっ!!!」
はっと我に返った華楠は近くにあった枕に手を伸ばし、悟浄にぼふん!と叩きつける
「うわっ」
バランスを崩した悟浄の隙をついてさっとベッドから降りる
「そゆことするなら三蔵と部屋変わってもらうけど!!?」
「えーせっかく同じ部屋になったんだしイイコトしよーぜ」
「悟浄は、女の人と深く付き合うことから逃げてるだけだよ」
「っ…なに…」
虚をつかれたような気がした
「そうやって軽口叩いて、その日限りの快楽を得て。私はそんな安い女じゃございませんことよ!」
「もう寝るよ!おやすみ!電気消しといてね!」
そう言って華楠は隣のベッドに入り背中を向けたのだった