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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第13章 新学期



***

午後の教室は、黒板の文字と相澤の声が淡々と流れていた。

だが、爆豪と轟の集中力は、完全に別の方向に向いていた。

窓の外。

そこでは3年生の実技授業が行われている。

そして、その中に――

ユカリの姿があった。

「………」

爆豪の視線が、ずっと動かない。

轟も同じように、静かに目で追っている。

授業の内容はもう半分耳に入っていない。

「おい、爆豪。轟。集中しろ」

相澤の注意すら、どこか遠い。

その瞬間だった。

ユカリがふと顔を上げる。

視線が、偶然こちらに向く。

一瞬、目が合う。

そして――

小さく、手を振った。

「……っ」

爆豪のペンが止まる。

轟のまばたきが一拍遅れる。

(今の、反則だろ)

(……可愛い)

教室の中で、空気が一瞬だけ変になる。

切島がすぐ気づく。

「おい今の見たか!?窓!!」

上鳴が机を叩く。

「完全にファンサじゃん!!」

出久が苦笑する。

「そりゃ気になるよね……」

だが当の二人は反応が違う。

爆豪は小さく舌打ち。

「……授業中に何やってんだよ」

そう言いながら、視線は戻らない。

轟は静かに一言。

「集中できない」

ストレートすぎる本音。

切島が爆笑する。

「正直すぎるだろ!!」

上鳴も騒ぐ。

「もう授業終わってるのと同じじゃん!!」

相澤がため息をつく。

「……爆豪、轟。後で職員室来い」

しかし二人は動かない。

窓の外では、ユカリはもう視線を戻して授業に集中している。

その普通の動作すら、なぜか目に焼きつく。

爆豪はぼそっと言う。

「……先輩、普通に邪魔」

轟も静かに続ける。

「ああ、同意だ」

だがその言葉とは裏腹に、どちらも目は離さない。

切島が呆れる。

「いやそれ“好きすぎて邪魔”ってやつだろ」

上鳴が笑う。

「授業どころじゃないの草」

窓の外と教室の中。

距離はあるのに、視線だけは完全につながっている。

そしてその日の授業は、いつもより少しだけ進みが遅かった。

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