• テキストサイズ

【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第12章 夏休み



***

夜。

それぞれの部屋に戻ったあとも、静けさはやけに長かった。

爆豪の部屋。

ベッドに寝転びながら、スマホの画面を開く。  

保存しているのは、今日送られてきた海の写真。

何気ない一枚なのに、妙に目が離せない。

「……チッ」

小さく舌打ちしても、指は止まらない。

目線の先には笑っているユカリ。

(……あの時も)

合宿の記憶が勝手に浮かぶ。 

距離が近すぎた瞬間。

呼吸が混ざった瞬間。

そして――触れた唇の感触。

一瞬だったのに、やけに残っている。

「……クソ」

スマホを握る力が少し強くなる。

怒っているわけじゃない。

むしろ逆だ。

会いたい。

それだけが、やけに真っ直ぐに残っている。

***

別の場所。

轟焦凍の部屋。

こちらも同じようにスマホを見ていた。

画面には海の写真。

その中のユカリの笑顔。

静かに目を細める。 

「………」

思い出すのは、あの訓練後。

距離がなくなった瞬間。

驚いた顔。

そして、柔らかかった感触。

一瞬で終わったのに、妙に残っている。

(ちゃんと、伝わってるといい)

そう思ったはずなのに。

今はそれ以上に。

(……会いたい)

静かな部屋の中で、それだけがはっきりしている。

***

爆豪は天井を見上げる。

轟は窓の外を見る。

場所も時間も違うのに、同じ結論にたどり着く。

「早く夏休み明けろ」

言葉にはしない。

でも、どちらも同じくらい強く思っていた。

会いたい。

ただそれだけが、夜を少しだけ長くしていた。 

/ 252ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp