第11章 合宿
夏。
蝉の声が響く季節。
雄英高校ヒーロー科は、毎年恒例の強化合宿にやって来ていた。
山奥の訓練施設にバスが到着する。
「うおぉぉ!」
「空気うめぇ!」
A組B組が大自然を満喫する中。
そこに先に来ていた4人が振り返る。
通形ミリオ。
波動ねじれ。
天喰環。
そして――ユカリ。
「わぁぁぁユカリ先輩!!」
「来てたんですか!?」
A組B組、一気に盛り上がる。
ユカリは少し笑って手を振った。
「今回、練習相手やることになって」
その瞬間。
バスから降りてきた二人と目が合う。
爆豪と轟。
二人はユカリを見て目を見開いてる。
「…………」
「…………」
空気変化。
A組B組、察する。
(来た)
「ユカリ先輩」
轟が先にユカリに近づく。
「会えて嬉しいです」
ストレート。
ユカリが少し照れる。
「そうだね」
その横から爆豪も来る。
「なんで言わなかった」
「え?」
「来るなら先言え」
「サプライズみたいになっちゃっただけだよ!?」
だが、爆豪は少し不満そうだった。
「……心臓に悪ィ」
ぼそっ。
聞こえた。
ユカリの顔が赤くなる。
すると後ろで上鳴がニヤニヤする。
「始まった始まった」
「今日も通常運転だな」
切島も笑う。
その時。
ミリオがパンッと手を叩いた。
「はい注目ー!」
全員の視線が集まる。
「今回の合宿では、俺たち4人がみんなの対戦相手やサポートをするよ!」
「実戦形式もありまーす!」
ねじれが元気よく続ける。環は少し小さく頭を下げた。
そしてユカリも笑う。
「みんな怪我しないように頑張ろうね」
その優しい声に、1年たちがざわつく。
「癒し……」
「女神……」
だが。
爆豪と轟だけは別だった。
二人とも。
“ユカリと戦える”
その事実に内心かなりテンションが上がっていた。
特に爆豪。
(先輩の前で負けられねェ)
轟も静かに燃えている。
(ちゃんと強くなったところ見せたい)