第9章 学園祭
学園祭当日。
雄英高校は、朝からものすごい熱気に包まれていた。
出店の呼び込み。
ステージの音楽。
あちこちから聞こえる笑い声。
その中でも、異常な人気を誇っていたのが――
3年A組の猫カフェ。
「最後尾こちらでーす!」
「並び列途切れてない!?」
「やばっ!!」
教室の外には長蛇の列。
しかも客の大半が、
“ユカリ目当て”だった。
「白猫の先輩かわいすぎる……」
「え、女神?」
「写真いいですか!?」
「連絡先聞いても――」
「だ、だめでーす」
ユカリは営業スマイルを保ちながら、やんわり断り続けていた。
だが内心。
(なんでこんなことに……!!)
羞恥で死にそうだった。
猫耳。
首輪リボン。
ふわふわスカート。
しかも接客。
近い距離で「にゃん」とか言わされる。
地獄。
しかし客は大歓喜だった。
「ユカリ大人気〜!」
ねじれが楽しそうに笑う。
「連絡先何人目?」
「数えてないよ……」
ユカリが疲れてげんなりしていると。
「失礼しまーす!」
聞き覚えのある声。
振り返ると、そこには1年B組の面々。
拳藤、鉄哲、物間たちだった。
「うわぁ……」
鉄哲が固まる。
「ユカリ先輩、マジで猫だ……」
「かわい……」
女子陣もざわつく。
ユカリは恥ずかしそうに笑った。
「い、いらっしゃい……」
その瞬間。
B組男子たちのHPが消し飛ぶ。
「破壊力やば……」
「そりゃA組の二人おかしくなるわ」
物間ですら一瞬黙った。
だが、すぐ咳払いする。
「ふ、ふん!まぁ悪くはないんじゃないかな!」
「物間顔赤いぞ」
「うるさい!!」
教室中が笑いに包まれる。
すると小森がスマホを構えた。
「ユカリ先輩、写真いいですか?」
「あ、うん!」
周囲も一気に集まる。
「撮りたい!」
「猫耳かわい〜!」
ユカリは少し照れながらポーズを取った。