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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第1章 先輩



二人目:轟焦凍

一方、 轟焦凍 は静かだった。

静かすぎて、逆に重かった。

昼休み。

ユカリが中庭で昼食を食べていると、自然な顔で轟が隣に座る。

「隣、いいですか」

「もちろん」

その瞬間、周囲がざわついた。

「あれ、また轟が先輩のとこ行ってる」

「最近ずっとだよな……」

けれど轟は気にしない。

ユカリだけを見ている。

「先輩」

「ん?」

「今日も綺麗ですね」

「……え?」

あまりに自然に言われて、ユカリは固まる。

轟は真顔だった。

「思ったことを言っただけです」

「そ、そういうの慣れてるの?」

「いえ。でも先輩相手だと勝手に出ます」

ストレートすぎる。

しかも本人に照れている自覚が薄い。

ユカリが困って笑うと、轟は少しだけ眉を下げた。

「……他の奴にも、その顔しますよね」

「え?」

「俺だけにしてほしい」

静かな声。

けれど、独占欲は隠れていなかった。

その日の帰り道。

校門前で男子生徒に話しかけられているユカリを見つけた轟は、迷わず間に入った。

「先輩、迎えに来ました」

「轟くん?」

男子生徒が気まずそうに離れていく。

轟はその背中を見送ってから、ユカリを見る。

「……あんまり他の男に近づかないでください」

「心配しすぎじゃない?」

「心配じゃないです」

少し沈黙してから、轟は低く続けた。

「嫉妬です」

ユカリの鼓動が跳ねる。

轟は静かな目でユカリを見つめた。

「先輩のことになると、余裕なくなる」

そしてそっと、ユカリの手を握る。

「好きです」

「……ずっと、俺だけを見てほしい」 

その日から。

雄英では有名になった。

“爆豪勝己と轟焦凍が、本気で取り合っている唯一の先輩”

だと。

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