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【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第24章 演劇祭 after story




講堂の外。

演劇が終わっても、興奮は全く冷めていなかった。

観客たちは次々と感想を語り合いながら帰路につく。

その中にはもちろん1年B組の姿もあった。

「………」

誰も喋らないまま、数秒の沈黙が続く。

そして。

「やばかった」

最初に口を開いたのは拳藤だった。

「やばかったな」

隣の鉄哲も頷く。

だが、語彙力は全員消滅していた。

「ティボルト死ぬところで泣いた」

「俺も……」

「マキューシオもよかった」

「俺も……」

会話が成立しているようで成立していない。

少し後ろには、パンフレットを握りしめながら目元を押さえる女子生徒たち。

「うぅ……」

「なんで死んじゃうの……」

「わかってたのに……」

ロミオとジュリエットは結末を知っている人間ばかりだった。

なのに泣いた。だから余計に悔しい。

「しかも最後……」

誰かが呟く。

「最後のあれ反則じゃん……」

思い出しただけで顔が熱くなる。

ロミオとジュリエットの。

いや。

轟とユカリのキスシーン。

「あれは反則」

「完全に反則」

「校則にないの?」

「ないと思う」

そんな意味不明な会話が続く。

そして。

1年B組の中でも特に感情が大きかった生徒がいた。

物間寧人である。

「くっ……!」

肩を震わせる。

「認めない……!」

周囲が引くほどの涙目だ。

「何を?」

「A組が……!」

拳を握る。

「A組があんな完成度の舞台をやるなんてぇぇぇぇ!!」

「そこ!?」

鉄哲が思わず突っ込む。

「悔しいんだよ!!」

「そこは感動しろよ!」

B組は最後までB組だった。

けれど、みんな同じことを思っていた。

今日の舞台は本物だった。

たくさんの人の心を動かした。

それだけは間違いなかった。


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