第22章 お見舞い
その時。
ガラッ。
教室の扉が開いた。
全員、反射的に振り向く。
ミリオも振り向く。
そして固まる。
「………」
そこにいたのはただの3年生。
知らない生徒。
ミリオは胸を撫で下ろした。
「よかった……」
ユカリが笑いながら首を傾げる。
「そんなに?」
ミリオは真顔で答えた。
「そんなに!!」
環が静かに頷く。
「……否定はしない」
ねじれも笑いながら頷く。
「うん!昨日の爆豪くんは超本気だった!」
三人一致。
ユカリはますます首を傾げるしかなかった。
***
移動教室の時間。
廊下には大勢の生徒たちが行き交っていた。
その中をミリオ、ねじれ、ユカリ、環の4人が歩いている。
――いや。
正確には3人が歩き、1人が警戒していた。
「右よし!」
ミリオが振り向く。
「左よし!」
さらに振り向く。
「前方よし!」
廊下の先を確認。
「後方よし!」
また振り向く。
完全に見回り。
もはやヒーロー活動である。
周囲の生徒たちも何事かと見ている。
「通形先輩何してるんだ……?」
「敵襲?」
「いや爆豪警戒らしいぞ」
「爆豪ってそんな猛獣なの?」
だいたい合ってる。
ユカリは苦笑した。
「ミリオ、いつまでやるの?」
ミリオは即答した。
「爆豪くんがいる限り!!」
力強い返答。
環は一瞬黙った。
それから。
「……ミリオ。それ一生」
環の指摘にミリオは真っ青になる。
ねじれが吹き出す。
「確かに〜!」
「卒業してもいるじゃん!」
「社会人になってもいるじゃん!」
「老後もいるかもしれない!」
「ええっ!?怖っ!!」
ミリオが本気で嫌そうな顔をする。
ユカリは笑いを堪えきれない。
「そんなことないよ。爆豪くん優しいよ?」
その瞬間。
3人が止まった。
ミリオ。ねじれ。環。
全員がユカリを見る。
沈黙。
ユカリだけが首を傾げる。
「?」
ミリオが遠い目で言った。
「……ユカリ。それ、ユカリにだけだからね」
「え?」
ねじれも頷く。
「うんうん。私たちと見てる爆豪くん違うもん」
環も静かに補足する。
「……かなり違う」