第21章 転入生
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1年A組。
昼前の授業中。
教室には教師の声と、ノートを取る音だけが響いていた。
そんな中。
ブルッ。
二つのスマホが同時に震える。
爆豪勝己と轟焦凍。
二人とも一瞬だけ視線を落とす。
画面。
“ユカリグループLIME”。
送信者。
八神凛。
短い一文。
『次会う時は、ヒーローとして。』
静かな文面。
でも。
そこには確かな覚悟があった。
その直後。
無機質な通知。
『八神凛がグループを退会しました』
教室の空気は変わらない。
誰もまだ気付いていない。
でも。
爆豪と轟だけは。
しばらく画面を見つめていた。
爆豪が小さく鼻で笑う。
「……上等だ」
心の中で返す。
負ける気なんかない。
次会う時。
もっと強くなってる。
絶対に。
一方。
轟も静かにスマホを伏せた。
「ああ、必ず」
その返事は声にならない。
でも。
確かにそこにあった。
ライバル。
友人。
そして。
同じようにユカリを想った相手。
凛はもう逃げない。
なら。
自分たちも前に進むだけだ。
二人は同時に窓の外を見る。
雨。
灰色の空。
でも。
その向こう。
いつかまた。
きっと会う。
ヒーローとして。