第21章 転入生
ざわつく空気の中。
相澤が前へ出る。
「今回の最終順位を発表する」
その一言で、少し静かになるA組。
全員が息を呑む。
相澤は手元の端末を確認しながら淡々と告げた。
「1位、緑谷」
「最終ポイント510」
「2位、爆豪」
「最終ポイント、480」
「3位、轟」
「440」
出久、目を見開く。
「えっ、ぼ、僕1位!?」
「以下省略。詳細はあとでデータ送る」
相澤は続ける。
「爆豪は制圧力は高いが、周囲が見えなくなる瞬間がある」
「轟は安定してたが、硬直状態に入ると時間を使いすぎる」
「緑谷は生存能力と状況判断がかなり良かった。だが決定力不足」
「八神は総合力が高い。ただ感情でプレーが乱れた」
凛、少し目を逸らす。
ミリオがニヤニヤしている。
「青春だったね凛くん!」
「うるさい」
相澤は最後に言った。
「全体としては悪くない。以上。解散」
その瞬間、一気に空気が弾けた。
「疲れたぁー!!」
「腹減った!」
「いやでも今日熱かったな!?」
みんな一斉に喋り出す。
そんな中。
出久が凛へ近づいた。
「八神くん」
凛が見る。
「明日、アメリカに帰るんだよね?」
「ああ」
短い返事。
「何時の飛行機?」
凛が眉を寄せる。
「なんで」
出久は少し笑った。
「みんなで見送りに行けたらなって」
一瞬の静寂。
次の瞬間。
A組、大爆発。
「それめっちゃいい!!」
芦戸が飛び跳ねる。
「うん行こう!!」
麗日も笑顔。
「みんなでパーッと送り出そうぜ!」
「いいじゃん行こうぜ!」
切島や上鳴もノリノリ。
一方。
凛はめちゃくちゃ嫌そうな顔をしている。
「絶対来るな」
「えええっ!?」
A組ショック。
凛は真顔のまま続ける。
「……でも、ユカリと環兄なら許す」
「理不尽っっ!!!」
全員から総ツッコミが入る。
ユカリは困ったように笑った。
「凛、みんな心配してくれてるんだよ?」
「……別にいらない」
そう言いながらも。
凛の耳は少し赤い。
それを見た轟がぼそっと言う。
「照れてる」
「黙れ」
爆豪も鼻で笑う。
「クソガキが」
「お前にだけは一番言われたくない」
「殺すぞ」
そのやり取りに。
また部屋が笑いで包まれた。