第19章 写真
昼休憩の時間。
3年生の教室は、いつものように賑やかだった。
そんな中。
教室の前扉が静かに開く。
轟が現れた瞬間、空気が変わった。
「……え?轟くん?」
「なんで3年の階に!?」
女子たちがざわつく。
しかも轟は迷いなく教室内を見渡し――ユカリを見つけると、そのまま真っ直ぐ歩いていった。
ユカリが目を丸くする。
「轟くん?」
轟はいつもの真顔。
「先輩に会いたくて来ました」
次の瞬間。
教室内の女子、爆発。
(出たーーーーーー!!!!)
(ユカリ×轟派、歓喜!!!!)
(待って今の自然に言った!?)
(顔が良すぎる!!)
ユカリも一瞬固まったあと、少し困ったように笑う。
「どうしたのもう……」
「昼休憩なんで」
「そうなんだけど」
素直すぎる。
ミリオが後ろで肩を震わせてる。
ねじれなんて完全にニヤニヤ。
結局、ユカリと轟は廊下へ出ることになった。
窓から光が差す廊下。
並んで立つ二人。
スタイルも良くて、顔も良くて。
絵になる。
通りがかる生徒たちが思わず振り返るレベル。
「轟くん、もうお昼食べた?」
ユカリは轟を少し見上げながら聞く。
少し考えてから答える轟。
「……いや。ユカリ先輩と一緒に食べたくて」
「またそういうこと言う……」
「?」
赤くなるユカリ。
最近、この真っ直ぐさに慣れない。
轟はさらに続ける。
「あと今日爆豪が来れねぇって」
「え?」
「今相澤先生に絞られてます」
「なんで!?」
驚くユカリに、轟は淡々と説明する。
「実技訓練中に緑谷と派手にやり合って建物壊したみたいです」
「うわぁ……爆豪くんらしい……」
轟の言った通り、1年側では。
相澤が冷たい目で二人を見下ろしていた。
「……で?実技訓練で校舎半壊させた感想は」
爆豪、不機嫌。
隣では出久が正座。
「ご、ごめんなさい……」
「お前ら反省文な」
「チッ」
放課後居残りが決定していた。