• テキストサイズ

【ヒロアカ】MY SWEET HEROES

第4章 張り合う二人



出久が冷や汗を流していると、ユカリが困ったように笑った。

「もう、二人とも出久くん困ってるでしょ」

その瞬間。

二人が同時に黙る。

「……先輩が庇う必要ねェし」

「でも出久くん悪いことしてないよ?」

「それはそうです」

「ならそんな怖い顔しないの」

ユカリに軽くたしなめられ、二人とも露骨に勢いが弱まる。

出久はその様子を見て思った。

(す、すごい……!!)

爆豪と轟を一瞬で落ち着かせている。

しかも。

ユカリが立ち上がって本棚の資料を取ろうとした瞬間。

「ユカリ先輩、取ります」

轟が即動く。

「あ、先輩。椅子動かすな、危ねェ」

爆豪も反射的に支える。

あまりにも自然。

出久、完全に理解した。

(この二人、重症だ……!!)

しかも本人たちは無自覚気味である。

「ありがとう、二人とも」

ユカリが笑う。

その瞬間。

爆豪、硬直。

轟、視線が柔らかくなる。

出久は全部見てしまった。

(わ、分かりやすすぎる……!!)

すると爆豪がふいに出久へ顔を向けた。

「デク」

「は、はい!?」

「先輩と二人きりになんの禁止」

「横暴すぎる!?」

「俺も禁止でいいと思う」

「轟くん!?」

だが次の瞬間。

ユカリが吹き出す。

「ふふっ、何それ」

笑うユカリにつられて、轟まで少し笑った。

爆豪は不機嫌そうな顔のまま、ユカリの椅子の隣にどかっと座る。

「……ったく」

「爆豪くん、少し嫉妬した?」

「はァ!? してねェ!!」

即答するも、耳は真っ赤だった。

轟は静かに口を開く。

「俺は嫉妬しました。ユカリ先輩、すごく楽しそうだったので」

「だって出久くんの話、面白いんだよ?」

「……俺とももっと話してください」

さらっと距離を詰めてくる轟。

爆豪は舌打ちしながらユカリを見る。

「……俺の方が話してるだろ」

「張り合わないの」

ユカリが呆れたように笑う。

けれどその笑顔を見た瞬間、二人ともまた静かになる。

好きが顔に出すぎていた。

そして出久は思った。

(これ、ユカリ先輩が気づいてないだけで……)

(この二人、めちゃくちゃ本気だ……!!)

/ 252ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp