第15章 体育祭
ファットガムはさらに追撃する。
「しかもダンスも上手かったんよなぁ!周りも“付き合っとるんちゃうか?”言うて――」
「ファット」
環が遮る。
人生で一番真剣な声だった。
「もう黙ってくれ」
ファットガム、ようやく「ん?」と首をかしげる。
周囲の空気がやっとおかしいことに気づき始める。
一方、爆豪と轟は。
完全に無言。
それが逆に一番怖かった。
切島が小声で呟く。
「なあこれ、天喰先輩生きて帰れるか?」
出久も真顔。
「かなり厳しい気がする……」
環は静かに目を閉じた。
(……山に帰りたい)
「あ、あとこんなんもあるで〜!」
ファットガムが突然スマホを取り出す。
「……え?」
さらに嫌な予感しかしない。
ユカリが身を乗り出した瞬間、画面が見える。
そこに映っていたのは――
雄英高校入学式。
まだ制服も少し大きく見える頃の、1年生時代の写真。
真ん中には、ユカリ。
両側には通形ミリオ、波動ねじれ、天喰環。
四人で仲良さそうにピースして笑っている。
「……っ!!」
ユカリの顔が一瞬で真っ赤になる。
「な、なんでそんな写真持ってるんですか!?!?」
ファットガムは悪びれず笑う。
「前に環にもろた!」
「環!?」
環は静かに死んだ顔をした。
「……昔の俺を殴りたい」
ミリオは大爆笑。
「いや〜懐かしいねぇ!」
ねじれは画面を覗き込みながら嬉しそう。
「ユカリの髪短い〜!」