第4章 紅茶の香りは前世の記憶
「――お前、この前の小テストの点数は何だ。進級する気があるのか」
我が家の狭いリビング。
ローテーブルを挟んで向かい側に座る担任のリヴァイ先生は、相変わらずの仏頂面で出席簿を叩いた。
鋭い三白眼、きっちり着こなしたスーツ。学校一恐れられている「人類最強の鬼教師」が我が家にいるというだけで、私は生きた心地がしない。
「すみません、リヴァイ先生……。次こそは頑張るので、お母さんには内緒に……」
「これ以上サボるなら、親どころか補習で毎日俺の目の前に拘留するぞ。……おい、お茶が薄い。淹れ直してこい」
「ひゃいっ!」
私は慌ててキッチンへ走り、お気に入りのアールグレイの茶葉を急ぎ足でポットに詰めた。
少しでも先生の機嫌を直さなきゃ。
そんな下心で、普段より少しだけ丁寧に、香りが引き立つように熱湯を注ぐ。
リビングに戻り、緊張で震える手で先生の前にカップを置いた。